アビガン

アビガンは日本の希望の星である。できれば治療薬として確立してほしいと切に願う。

 

ただ、アビガンは第3相試験中であり、まだ効果やその効果を生み出す用法、用量はまだ確立していないことに注意すべきである。

 

「アビガンを投与した人の症状が回復した」という例が多数報告されている。

例えば、

日本感染症学会 新型コロナウイルス感染症

http://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=31#case_reports

 

世の中では、早く使わせろ、厚生省は利権ゆえに承認を遅らせている!と怒りMAXの人がいる。

 

でもちょっと待ってほしい。

「アビガンを投与した人の症状が回復した」ということと、「アビガンを投与した結果症状が回復した」ということの間には天と地ほどの差がある。特に武漢肺炎(あえてそう呼ぶ)は、多くの方が自然治癒し、一部の方が重篤化するのである。そのために投与群と非投与群(偽薬投与群)をランダムに分け、2重盲検法(投与する医者すら実薬か偽薬かを知らされない)で評価する第三相治験が必須となる。

とはいっても現場での感触は割といいらしい。日本感染症学会の報告でもそのことがうかがえ、「アビガンを投与した結果症状が回復した」のではないかと思っている医師も多いようだ。そのため、「観察研究」という枠組みで、すでに2000例以上の投与が行われている。この2000例がすべて国内なのかどうか定かでないが、もし日本でだけなら、無症状者、軽症者を含む14000人の感染者の相当数の割合で投与されていることになる。

観察研究では各医療機関の倫理委員会の承認が必要になるが、現状では、そこで否認されることはあまり考えられない。あるとすれば、倫理委員会の開催が遅れて投与が遅れるくらいであろう。実際にそうなのであればここは要改善で、倫理委員会で包括的に「一定水準をまもれば個別の承認がなくても投与可能と」となればいいと思う。もしかしてそういう動きもあるかもしれないし、医学的には問題なのかもしれないので、素人が言っていいことではないかもしれないが。

 

例外的な承認については、安倍首相がうながしているにも関わらずサリドマイドの薬害問題がトラウマになって厚労省が例外的な承認を渋っているという一部報道もある。

 

 

デイリー新潮「コロナにアビガンが劇的に効いた」患者の声にも厚労省が使わせない 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200430-00624600-shincho-soci

 

これまで亡くなった方は数百人でそのうち80%以上が70歳以上である。そのリスクと将来先天的障害児が生まれるかもしれないリスクは、厚労省としても悩ましいだろうというのは容易に想像できる。

だが、治療薬がなくては警戒宣言が続き、これ以上経済が持たない現状を見ると、第3相治験の状況がよければ、6月末予定の第3相治験の完了をまたずとも、早期の承認には躊躇しないでほしい。もし不幸にも先天的障害児が生まれた場合には、厚労省に責任を負わせるのではなく、国民全体でその責を負おうではないか。国民もその覚悟を持とう。

 

        がんばれアビガン。